ファインチューニング vs RAG
20社以上のエンタープライズ導入から導いた意思決定フレームワーク — それぞれのアプローチが、いつそのコストに見合うのか
著者
Tenten AI Research
ML Engineering
公開日
2026年4月1日
読了時間
19 min

概要
ファインチューニングと検索拡張生成(RAG)のどちらを選ぶか——これはエンタープライズ AI システム設計において、最も頻繁に議論されるアーキテクチャ上の意思決定です。そして同時に、最も頻繁に「間違って」選ばれる決定でもあります。チームは往々にして、問題が実際に何を必要としているかではなく、技術的に面白いかどうかで選んでしまうのです。
本ホワイトペーパーでは、Tenten AI が 20 社以上のエンタープライズ案件を通じて磨き上げてきた意思決定フレームワークをご紹介します。このフレームワークは「こうすべき」と一律に指図するものではありません。ファインチューニングが明らかに正解のケースもあれば、RAG が明らかに正解のケースもあり、その両方が必要なケースもあります。目指すのは、なんとなくの惰性ではなく、意図を持って判断するための語彙と基準をチームに手渡すことです。
最初に、そして最も重要な点を整理しておきます。ファインチューニングと RAG は、そもそも解いている問題が違います。ファインチューニングはモデルが「何をどうこなせるか」を変えます。RAG は推論時に「どんな情報を使えるか」を変えます。この二つの問題を混同することこそ、この領域におけるアーキテクチャ上の失敗の大半を生む元凶なのです。
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